2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧
冬の朝大根の月浮かびをり見上げた我も青に染まりて 「大根の月」は向田邦子の短編集「思い出トランプ」の中の一編。 何処かにあるかと探し、段ボールの奥から発見。向田さんが飛行機事故で亡くなる前に、妹さんがやっていた赤坂にある小料理屋「ままや」に…
雨上がり秋は深まりセピア色静けさ破るキジのひと鳴き 一昨日の夜、旧友男女6人でビデオ会話。 一人が知り合いの映画監督が書いたシナリオが、プロデューサーからこれでは伝わらないと書き直しを命じられたとか。 行間にこそ魅力があるのですが、実際私たち…
山の名を初めて知った秋の日は汚れた心晴れわたりゆく 現地で地図を確認して、山の名前を知る。 なんだか、友だちが一人増えた気がする。 また、山はその見る角度によって表情が変わる。 まるで人間と同じ。 人間も多面的だから面白い?山にゆくと、色んなこ…
食事とは腹を満たすのみにあらず涙と笑い子ども食堂 数年前の今頃、知人の紹介で地元の子ども食堂へ行きました。 普通の民家の中に入ると、子どもたちと若いお母さんと高校生たちのボランティア。 オヤジが来る所では無いと思いましたが、スタッフに言われて…
寒椿朝日を浴びて燃えるかなそっと奪いて冬野に帰る 紅葉の盛りも過ぎ、落葉樹は枯れ枝になりました。 寒ざむとした景色に変わってゆきますが、落ち葉は堆肥になり、裸の枝は陽を浴び、再生の春に備えています。 けして、死んだわけではありません。 私たち…
アキアカネ歌碑にとまりて何を詠む急ぐな日暮れ急ぐな秋よ ハロウィンが終わったら、ジングルベルが溢れる街 子どもの頃はウキウキしたものが、歳を重ねるとなんだか気がめいる。 今年も追い立てられて、一年もあっというまに過ぎてゆく。毎年、春と秋が短く…
秋祭り手から逃げ出す風船は人をからかい夜空に遊ぶ 秋祭り、道の両側に夜店の屋台が並び、沢山の人たちが行き交います。 父親におんぶされた女の子の手から、風船が逃げ出す。 風船は人たちの頭上をふわふわと飛び、手を伸ばしても届きそうで届かない。 ま…
ダケカンバこぬれに木霊集まりて雪はまだかとざわざわ騒ぐ 「こぬれ」とは万葉のことばで木の枝先と言う意味だとか。こずえとも言いますね。 こぬれは、芽吹き、花を咲かせ、色づき、生命力が一番現れるところでは。 そこに木の精霊たちが集まる気がします。…
火祭りに怖いと泣いた背の娘乳児を抱きて母となる秋 関東から移り住み、初めて見た「松明あかし」は小雨の中。 背中にはまだ幼き娘、燃え盛る炎を見上げ怖いと泣いていました。 その娘がこの秋、母となりました。
松明が冬の夜空を照らすころ異界の扉ふっと開きおり福島県須賀川市は今月13日に、日本三大火祭りのひとつ「松明あかし」を開催。しかし、コロナで昨年に続いてたった一本だけの松明で無観客開催。伊達政宗の軍勢との戦で、亡くなった人々への鎮魂のための火…
「人生は楽しむためよ違うかい」しまなみの潮風夢みたり 生きる意味なんて探すのは、どうも人間だけのようです。 植物も動物もただ生きているだけで、幸せなのでは⁉️ 人間は余計な事ばかり考えるので、様々な環境の中で思い悩みしんどくなる。 オラの場合は…