diary 写真短歌「私の青空」

日々の生活で感じたことを、つたない短歌にしました。写真と短歌のコラボで遊びたい😅

2021-01-01から1年間の記事一覧

大根の月

冬の朝大根の月浮かびをり見上げた我も青に染まりて 「大根の月」は向田邦子の短編集「思い出トランプ」の中の一編。 何処かにあるかと探し、段ボールの奥から発見。向田さんが飛行機事故で亡くなる前に、妹さんがやっていた赤坂にある小料理屋「ままや」に…

行間

雨上がり秋は深まりセピア色静けさ破るキジのひと鳴き 一昨日の夜、旧友男女6人でビデオ会話。 一人が知り合いの映画監督が書いたシナリオが、プロデューサーからこれでは伝わらないと書き直しを命じられたとか。 行間にこそ魅力があるのですが、実際私たち…

山の名前

山の名を初めて知った秋の日は汚れた心晴れわたりゆく 現地で地図を確認して、山の名前を知る。 なんだか、友だちが一人増えた気がする。 また、山はその見る角度によって表情が変わる。 まるで人間と同じ。 人間も多面的だから面白い?山にゆくと、色んなこ…

子ども食堂

食事とは腹を満たすのみにあらず涙と笑い子ども食堂 数年前の今頃、知人の紹介で地元の子ども食堂へ行きました。 普通の民家の中に入ると、子どもたちと若いお母さんと高校生たちのボランティア。 オヤジが来る所では無いと思いましたが、スタッフに言われて…

大地に眠る

寒椿朝日を浴びて燃えるかなそっと奪いて冬野に帰る 紅葉の盛りも過ぎ、落葉樹は枯れ枝になりました。 寒ざむとした景色に変わってゆきますが、落ち葉は堆肥になり、裸の枝は陽を浴び、再生の春に備えています。 けして、死んだわけではありません。 私たち…

早くねぇ🐶

アキアカネ歌碑にとまりて何を詠む急ぐな日暮れ急ぐな秋よ ハロウィンが終わったら、ジングルベルが溢れる街 子どもの頃はウキウキしたものが、歳を重ねるとなんだか気がめいる。 今年も追い立てられて、一年もあっというまに過ぎてゆく。毎年、春と秋が短く…

莫妄想(まくもうそう)

秋祭り手から逃げ出す風船は人をからかい夜空に遊ぶ 秋祭り、道の両側に夜店の屋台が並び、沢山の人たちが行き交います。 父親におんぶされた女の子の手から、風船が逃げ出す。 風船は人たちの頭上をふわふわと飛び、手を伸ばしても届きそうで届かない。 ま…

木霊(こだま)

ダケカンバこぬれに木霊集まりて雪はまだかとざわざわ騒ぐ 「こぬれ」とは万葉のことばで木の枝先と言う意味だとか。こずえとも言いますね。 こぬれは、芽吹き、花を咲かせ、色づき、生命力が一番現れるところでは。 そこに木の精霊たちが集まる気がします。…

火祭り その2。

火祭りに怖いと泣いた背の娘乳児を抱きて母となる秋 関東から移り住み、初めて見た「松明あかし」は小雨の中。 背中にはまだ幼き娘、燃え盛る炎を見上げ怖いと泣いていました。 その娘がこの秋、母となりました。

異界と危うげな生き物

松明が冬の夜空を照らすころ異界の扉ふっと開きおり福島県須賀川市は今月13日に、日本三大火祭りのひとつ「松明あかし」を開催。しかし、コロナで昨年に続いてたった一本だけの松明で無観客開催。伊達政宗の軍勢との戦で、亡くなった人々への鎮魂のための火…

ニンジン🥕

「人生は楽しむためよ違うかい」しまなみの潮風夢みたり 生きる意味なんて探すのは、どうも人間だけのようです。 植物も動物もただ生きているだけで、幸せなのでは⁉️ 人間は余計な事ばかり考えるので、様々な環境の中で思い悩みしんどくなる。 オラの場合は…

書割

父の腕娘が支え歩く土手二人の先に書割の虹 本当は二人の先にでかい虹が出ていた。 まるで、小津安二郎の映画「東京物語」のワンシーンのような。 笠智衆と原節子の二人のように。 だけど、それは幻だったかもしれない。 どうも歳をとると物事が素直に見られ…

家族

母の指小さな指が握りしめ すやすや眠る何を夢みし昨夜DVDで二本の映画を観ました。三島有紀子監督「幼子われらに生まれ」(2007年)黒沢清監督「トウキョウ ソナタ」(2008年)どちらも家族がテーマ。リストラ、出向、まるでロボットのように、家族のために必死…

冬の足音

冬が来た西吾妻山は真っ白だ名残惜しいか萎んだザック 福島県中部の我が町からはるか北に、山形県との県境の山、西吾妻山(にしあずまやま)は、今朝気付いたら雪山。 西南に見える栃木県の那須連山も、山頂が真っ白。 「早くねぇ❗️」と突っ込みを入れたくなる…

ナナカマド

ナナカマド取り残されし秋空にまだまだ燃えろ燃え尽きるまで 今年の秋は短い。 まるで駆け足のように過ぎて、もう冬支度。 東北の山々の紅葉もあっと言うまにピークが過ぎ、あまり天気にも恵まれずなんだか今年は寂しいかぎり。一昨日は地元福島県・安達太良…

いにしえの地蔵は何を見てきたか秋の陽浴びて静かに祈り 栃木県三本槍岳へ向かう、登山道の途中にある「大峠」(標高1468m) 約150年前の戊辰戦争では、西軍がこの峠を越えて会津へ攻めこんだ。 峠には小さな地蔵が点在する、地蔵は当時の様子も見ていたのだろ…

雲の上にて

初孫の知らせは山の頂きに言葉にならぬ感動はしる 昨日、長女が出産しました。 コロナ渦の中、当人もまわりも心配していましたが、お陰様で無事出産。娘からのラインは、栃木県那須連山・三本槍岳(1916m)頂上直下のタイミング。 まさか、山の上で出産の知ら…

親ガチャ

情けねえ「親ガチャ」なんてもう一度百円入れて親を選ぶか「親ガチャ」なんて良く考えたなぁ確かに子どもは親を選べないけどね、親だけのせいにするのも、どうなのかな?もちろん、幼児への虐待や育児放棄は別問題だけど。先日ラジオで、虐待はもちろん子ど…

永久欠番

「人は皆、永久欠番。同じ時を共に生き、在籍したことを大切にしたかった」 冒頭の言葉は、書籍「宗教を心理学する」より。 東日本大震災の津波で非業の死を遂げた子どもへの、卒業証書をおくった宮城県の幼稚園の回答。 様々な事故、事件で亡くなった子ども…

キレるジジイ🐙

すぐキレる前頭葉の萎縮かなジジババ増える我も同類 昨日愛犬と公園で散歩していたら、いきなり歳上のジジイから怒鳴られた。 ウチの犬がジジイの犬にわざと近づいたと。あちらの犬は小型犬、こちらは中型犬。 こんなに怯えているのが、分からないのかと。分…

やる気スイッチ❤️

悪夢から解放せよとカラダいうツベコベいわず足を踏み出せ 病は気から? どうも最近体調が良くなかった、倦怠感が抜けず凹んでいました。 それが、昨日職場の休憩時間に105円のカフェオレを飲んでいたら、なんだかつきものが落ちたような? (ホンマかいなぁ)…

停車場

モノクロの写真に写るカップルは永遠の幸刻む山小屋 山小屋が大好きです。 ある山小屋の壁には、そこで結婚式をあげたカップルと、その仲間たちのモノクロ写真がありました。 皆さん笑顔、笑顔。山から下りればそれぞれの日常に戻ります。 山小屋は束の間の…

段ボールから黒澤明「暴走機関車」

男たちの合唱機関車が監獄の傍を通る時 牢獄の中の俺達に呼びかける よう、お前たち 鎖につながれてるのは お前たちだけだと思うのか? 俺を見な! 俺は背中に一マイルもの貨車を つながれて、一生涯を過ごすんだ! 俺だって逃げだしたい 俺だって自由が欲し…

スティーヴン・キング

ゆっくりともつれた言葉編みながら車に揺られて歌を授かり 「人がものを書くただひとつの理由は、過去を理解し必ず訪れる死に対する準備を始めるためだ」 スティーヴン・キング なんのこっちゃ ムジナたちの総裁選も終わって、やっと少しは静かになりそうで…

風音

地球のね自転の音を聴かせると屋根裏部屋で聴いた風音 ある晩秋の長野県八ヶ岳。 山小屋の夕食後、小屋の主(あるじ)から若い時の武勇伝を聴かされたあと、「地球の自転の音を聴かせる」と、屋根裏部屋に案内されました。 座って耳をすましていると、聴こえる…

再生 その2。

パソコンもスマホもいらぬこの村はきっと誰かの脳内再生 こちら東北地方には、まるで過去にタイムスリップしたような、そんな集落に出逢うことが時々あります。 誰か人を探して、「今は何年なのか?」と訊いてみたい、不思議な衝動にかられたりします。テレ…

再生

ふわふわと漂う心空しさよ身を寄せたりしナナカマドかな 「山に登るとホントの自分に戻れる」 とよく聞くコメント。 では、ホントの自分とは何か? まぁ、素直な自分と言う意味かも知れません。 山に登ると鳥の眼になり「俯瞰」で物事が見られ、蟻になり「自…

映画「滑走路」

名作は誰も借りないDVDすみに追われてやがて消えゆく ベストセラーになった歌集「滑走路」の映画化。映画の内容は、歌集を参考にしながらも全くのオリジナル。 個人的には今年観た映画(DVD)の中では、忘れられない作品です。 「傷ついて翼が折れたとしても、…

図書館

聴こえます本のささやきヒソヒソと数十万の世界の扉 東京でのサラリーマン時代には、仕事をサボり日比谷図書館で過ごしたこともありました。 蝉時雨がうるさかった日比谷公園から、逃げ込むように入館しました。 図書館は今でも別天地です。 地元の図書館は…

映画「万引き家族」&Anitta

父から息子へ 「男はみんなオッパイが好きなんだ」 「良かった、病気かと思った」 「万引き家族」はDVDで最近観ました。 サービス業の仕事をしていますので、万引きはどうも抵抗があり敬遠していました。 上記の台詞は、海岸でのシーンです。 この辺りから、…