diary 写真短歌「私の青空」

日々の生活で感じたことを、つたない短歌にしました。写真と短歌のコラボで遊びたい😅

ウルトラマンの街

鐘が鳴るおうちへ帰ろ本閉じて会津の山もしじまに暮れる午後6時、図書館裏の禅寺の鐘が鳴ります。 写真の禅寺は、三階の図書館テラスからパチリ。毎週土曜日の早朝に、座禅会で通うお寺。 写真右手の大屋根が本堂、座禅の後にお経をあげます。 本堂の左側が…

色彩

ヒメサユリ薄紅色が露に濡れモノクロの夢ふっと色付く街には色が溢れすぎ、うるさいばかり。 遠くから俯瞰すれば、モノクロの世界。 色彩をじっくり楽しむ余裕もないせいか、山に来ると小さな植物の色さえ、魅力的。 さぁ、そろそろ山行の準備。 地図を広げ…

視線

クマさんが何処かで見てるワタスゲを揺れる想いは絵本の中に 「あそこクマよく出るよ」 先日、写真屋さんの店主に言われました。 南会津にある湿原、友人と昨年の6月に訪れました。 時々霧雨で煙る湿原は、とても幻想的。 訪れる人も少なく、時々キツツキの…

雨の言霊(ことだま)

パラパラと雨の言霊傘を打ち「重い?しんどい?なんとかなるさ」昨日の晴天から一転、今朝は冷たい雨。 なんだか気持ちも曇天。 お経の「般若心経」では、物は常に変化し人の心も見方や考え方次第で、変化するとか。 だから、あまり固守してはいけないと?昨…

五月雨

ウグイスの美声を録りしスマホにて一緒に帰る雨の道なり福島県中部では田植えが始まりました。 眩しい新緑も雨に濡れ、ウグイスの美声が響き渡ります。 そろそろ、「山の神様」が下りて来て「田の神様」になり、収穫の秋まで見守って頂けるようです。 残念な…

ある日の休日。

夕暮れを待つ指定席「ロシアとウクライナの文学」前の椅子 休日は自宅から10分ほどの図書館でよく過ごします。 なんと言っても何時間居てもお金がかからない そして、座る席はほとんど空いていれば同じ席。 昨日はふと後ろを見たら「ロシアとウクライナの文…

マリア観音

どれほどの願いを聴きしマリア様時を超えれど想い変わらず 福島県奥会津・柳津町。 山奥の集落のはずれ小高い丘に「久保田三十三観音」があります。 丘の周りを三十三体の観音菩薩が点在。(別名・まわり観音) 今から約二百年程前の、江戸時代後期に祀られた…

乙女三十三観音

影集め静かに祀る寺があり雪解けるころ地表に出たり 奥会津の山寺。 境内の中央に先の大戦で失くなった、沢山の兵士たちの墓碑があります。 それを取り巻く様に、33体の乙女観音の石仏。二十代の姉妹の石工が造ったとか。 境内にはまだ雪が残り、とても静か…

この樹なんの樹?

この森の一番のっぽメタコセイヤ棚田の婆はもう起きたかい 先日カタクリの群生地(福島県奥会津)で見かけた、背の高い高い樹木。 一緒に行った友人は、ポプラだと言う。 撮った写真をググると、「メタコセイヤ」と回答。 初めて聞く名前でした。 もし、どなた…

春の妖精

春風に首を振るかなカタクリよ声無き声に耳傾けて 福島県奥会津の三島町。 毎年訪れるカタクリの山里、いつもはカタクリの後に咲き始める山桜の大山さくらですが、今年は珍しくほぼ同時。 カタクリとピンクの山桜のコラボに、今日は満喫しました。自然の営み…

対比

カーテンを開ければ春の陽が満ちてニュースは駅にミサイル着弾 春うららです。 福島県も各地で次々と開花宣言あり、今日は気温も上がり良いお天気。 そんな平和な春の朝に、ウクライナの駅にミサイル着弾のニュース。 避難をしようとしている人達の多くが犠…

雨音

救う命は二十人?アクビする大臣乗せて日出ずる国へ キーウ近郊の住民への大量虐殺。 思わずテレビを消した。ホントに言葉をなくします。 150人のキャパシティがある政府専用予備機、それにたった20人の避難民。 今夜、ポーランドを発ちます。 全く緊張感が…

初花見

初花見みあげる赤子何想う薄紅の頬花に負けじと 関東に住む娘から、先日届いた初孫の写真。 孫にとっては初の桜です。 この子のためにも、未来が明るい事を祈るばかりです。

芽吹き

亡き父の止まった時計指で撫で時の儚さ時の愛しさ 東京では桜が満開とか、こちら福島県須賀川市ではやっと蕾がふくらんできました。 上記の日本画は、毎週末に座禅会が行われている「長松院」の山門のひとつ。 作者は戦時中、東京から須賀川に疎開した日本画…

危うい春といつもの春。

華やかに光りあふるるこの街は一皮剥けばブラックアウト 先週の福島県沖の地震で、海沿いの火力発電所二ヵ所(広野町、新地町)が被災。 関東地方に「電力需給ひっ迫警報」が発令。福島県から高速バスで新宿駅前に着くと、光の洪水に圧倒されます。 2011年震災…

この春は

何出来る戦火に燃える街を見て何処まで愚かな我らヒトよ (木喰作・十一面観音像)ロシアのウクライナ侵攻から、テレビのニュースは観たくない。 辛くて観られない。 何も出来ない無力感に襲われる。 安倍元首相は先月27日テレビ番組で、米国の核兵器を国内に…

「呪縛」

今回は短歌ありません。 年末の大阪のビル放火事件の時に、ラインで友人たちと話した事。 ある友人は言いました。 「私は孤独だけど、孤立ではない」今朝も東大での、信じられない事件。 当事者の気持ちは詳しくは分からないけれど、誰か話を聴いてくれる人…

狼とのご対面。

神の山雪降りつもり白狼も見上げた空は今も変わらず 福島県北部、飯館村(いいだて)にある山津見神社へ三日に初詣。 念願の「狼の護符」(お札)を頂いて来ました。狼信仰は主に関東地方が多く、秩父の三峰神社、多摩青梅の御岳山神社があります。 水の源、命の…

大根の月

冬の朝大根の月浮かびをり見上げた我も青に染まりて 「大根の月」は向田邦子の短編集「思い出トランプ」の中の一編。 何処かにあるかと探し、段ボールの奥から発見。向田さんが飛行機事故で亡くなる前に、妹さんがやっていた赤坂にある小料理屋「ままや」に…

行間

雨上がり秋は深まりセピア色静けさ破るキジのひと鳴き 一昨日の夜、旧友男女6人でビデオ会話。 一人が知り合いの映画監督が書いたシナリオが、プロデューサーからこれでは伝わらないと書き直しを命じられたとか。 行間にこそ魅力があるのですが、実際私たち…

山の名前

山の名を初めて知った秋の日は汚れた心晴れわたりゆく 現地で地図を確認して、山の名前を知る。 なんだか、友だちが一人増えた気がする。 また、山はその見る角度によって表情が変わる。 まるで人間と同じ。 人間も多面的だから面白い?山にゆくと、色んなこ…

子ども食堂

食事とは腹を満たすのみにあらず涙と笑い子ども食堂 数年前の今頃、知人の紹介で地元の子ども食堂へ行きました。 普通の民家の中に入ると、子どもたちと若いお母さんと高校生たちのボランティア。 オヤジが来る所では無いと思いましたが、スタッフに言われて…

大地に眠る

寒椿朝日を浴びて燃えるかなそっと奪いて冬野に帰る 紅葉の盛りも過ぎ、落葉樹は枯れ枝になりました。 寒ざむとした景色に変わってゆきますが、落ち葉は堆肥になり、裸の枝は陽を浴び、再生の春に備えています。 けして、死んだわけではありません。 私たち…

早くねぇ🐶

アキアカネ歌碑にとまりて何を詠む急ぐな日暮れ急ぐな秋よ ハロウィンが終わったら、ジングルベルが溢れる街 子どもの頃はウキウキしたものが、歳を重ねるとなんだか気がめいる。 今年も追い立てられて、一年もあっというまに過ぎてゆく。毎年、春と秋が短く…

莫妄想(まくもうそう)

秋祭り手から逃げ出す風船は人をからかい夜空に遊ぶ 秋祭り、道の両側に夜店の屋台が並び、沢山の人たちが行き交います。 父親におんぶされた女の子の手から、風船が逃げ出す。 風船は人たちの頭上をふわふわと飛び、手を伸ばしても届きそうで届かない。 ま…

木霊(こだま)

ダケカンバこぬれに木霊集まりて雪はまだかとざわざわ騒ぐ 「こぬれ」とは万葉のことばで木の枝先と言う意味だとか。こずえとも言いますね。 こぬれは、芽吹き、花を咲かせ、色づき、生命力が一番現れるところでは。 そこに木の精霊たちが集まる気がします。…

火祭り その2。

火祭りに怖いと泣いた背の娘乳児を抱きて母となる秋 関東から移り住み、初めて見た「松明あかし」は小雨の中。 背中にはまだ幼き娘、燃え盛る炎を見上げ怖いと泣いていました。 その娘がこの秋、母となりました。

異界と危うげな生き物

松明が冬の夜空を照らすころ異界の扉ふっと開きおり福島県須賀川市は今月13日に、日本三大火祭りのひとつ「松明あかし」を開催。しかし、コロナで昨年に続いてたった一本だけの松明で無観客開催。伊達政宗の軍勢との戦で、亡くなった人々への鎮魂のための火…

ニンジン🥕

「人生は楽しむためよ違うかい」しまなみの潮風夢みたり 生きる意味なんて探すのは、どうも人間だけのようです。 植物も動物もただ生きているだけで、幸せなのでは⁉️ 人間は余計な事ばかり考えるので、様々な環境の中で思い悩みしんどくなる。 オラの場合は…

書割

父の腕娘が支え歩く土手二人の先に書割の虹 本当は二人の先にでかい虹が出ていた。 まるで、小津安二郎の映画「東京物語」のワンシーンのような。 笠智衆と原節子の二人のように。 だけど、それは幻だったかもしれない。 どうも歳をとると物事が素直に見られ…